プロジェクトの概要

科研費 助成事業(基盤研究B)課題番号JP23H00760

課題名 女性の生理サイクルに対応した総合的ヘルスケアシステムに関する比較法研究

プロジェクト概要 
 本研究では、女性の生理的サイクル(月経・妊娠・出産・産褥・授乳・更年期)に焦点を当て、これらに伴って必要となる就労環境の調整とそれに関連する法的問題を、労働者の権利に着目して体系的に整理し、日本法制の新たな枠組みを提案する。
 女性特有のニーズについては、これを女性に特化した制度で対応する手法(例:日本法の生理休暇)と労働者一般に向けた制度で対応する手法(例:ドイツ法の疾病休暇)があるが、本研究では、米、英、独、仏、加の法制度を調査し、1)各国がいずれの手法を採用しているか、2)その手法を選択した理由を分析する。

研究体制

プロジェクト総括

福岡大学 法学部 教授
研究分担 カナダ・日本法制

主な業績


著書
『精神疾患と障害差別禁止法 雇用・労働分野における日米法比較研究』(旬報社・2015年)

論文 
「月経等による就労障害と日本法制の課題」『働く社会の変容と生活保障の法  島田陽一先生古希記念論集』(旬報社・2023年) 

「男女平等賃金の実現における労働者の参加権」『社会法の中の自立と連帯 北海道社会法研究会50周年記念論集』(旬報社・2022年)

「カナダにおける妊娠・出産・育児に関する休暇・休業法制ーオンタリオ州・ケベック州・連邦の法制度比較」『「尊厳ある社会」に向けた法の貢献ー社会法とジェンダー法の協働 浅倉むつ子先生古希記念論集』(旬報社・2019年)

プロジェクトメンバー

早川 智津子
佐賀大学 経済学部 教授
プロジェクト総括補佐
研究分担 アメリカ法制

龔 敏
久留米大学 法学部 教授
研究分担 イギリス・アジア法制

笠木 映里
東京大学大学院 法学政治学研究科 教授
研究分担 社会保障法制

阿部 理香
九州国際大学 法学部 助教
研究分担 フランス法制(個別労使関係)

渋田 美羽 
弘前大学 人文社会科学部 助教
研究分担 フランス法制(集団的労使関係)

岡本 舞子
北九州市立大学 法学部 准教授
研究分担 ドイツ法制

活動実績

2023年度
  • 2023年4月1日 科学研究費助成事業(基盤B) 採択 
    研究期間 2024年4月1日〜2026年3月31日
    助成額  1885万円
  • 5月20日 研究会開催(第1回)
     
  • 6月25〜27日 労働法研究ネットワーク (Labour Law Research Network 〈LLRN6〉第6回大会 参加
    開催場所 ポーランド ワルシャワ大学
    参加者  所浩代 早川智津子 岡本舞子 
  • 7月29日 研究会開催(第2回)
  • 9月6〜8日 国際労働社会保障法学会(ISLSSL)参加
    開催場所 ベルギー ゲント大学
    参加者  早川智津子
  • 9月15日 比較法セミナー(第1回)開催
    スピーカー Daniel Pérez del Prado(スペイン マドリード・カルロス3世大学 教授)
    講演内容  スペインの有給生理休暇の保障とその制定経緯
  • 11月22日〜29日 イギリス調査
    担当者 龔敏
  • 11月23日 比較法セミナー(第2回)開催
    スピーカー Bernadett Solymosi-Szekeres (ハンガリーミシュコルツ大学 准教授)
    講演内容  Menstrual Health and Employment Law (月経時の健康と雇用法)
  • 12月 9日 研究会開催(第3回)
  • 12月10日 研究会開催(第4回)
  • 12月16日 研究会開催(第5回)
  • 2024年2月21日〜23日 台湾調査
    担当者 所浩代 早川 智津子 龔敏 
  • 3月16日〜29日 フランス調査
    担当者 笠木映里 阿部理香 渋田美羽  

活動成果

論文
  1. 「特集 リプロダクティブ・ヘルスと労働法」季刊労働法2024年秋号
    • 所浩代「本特集の目的」季刊労働法286号2-4頁
    • 所浩代「職場のウェルビーイングと月経の健康〜SRHRの概念の発展を踏まえて」季刊労働法286号5-14頁
    • ダニエル・ペレズ・デル・プラド「女性の健康と労働法〜スペインの新たな展開」季刊労働法286号19-27頁
    • ベルナデッド・ソシモリ・セケレス「月経の健康、生理休暇及び雇用法〜ハンガリーに重点を置いた法的考察」季刊労働法286号28-39頁
    • ダニエル・ペレズ・デル・プラド論文とベルナデッド・ソシモリ・セケレス論文は、以下から原文(English)にアクセスできます。
      https://www.roudou-kk.co.jp/news/12422/
  2. Miu Shibuta, «Nécessaire, mais peu utile ? Les raisons de l'échec du congé menstruel au Japon», Revue de Droit du Travail, janvier 2024, pp.12-14

エッセイ

  1. 岡本舞子「ドイツにおける不妊治療と賃金継続支払法」日独労働法協会 コラム(第32回)
    https://jdga.sakura.ne.jp/jdga/kaffeepause/kaffeepause32/

講演

2024年3月6日(水) 
令和5年度 労使関係セミナー (中央労働委員会主催)
講演タイトル 「仕事と育児・介護の両立について」
担当 所 浩代 (第1部)

2024年9月24日(火) 
令和6年  産業保健法学会多様な働き方委員会 第4回
 「職場における女性の健康管理と法」
第2報告 所浩代「職場のWell-beingと月経の健康」

研究協力者・連携機関・支援体制

研究協力者
  • 浅倉むつ子先生 
    早稲田大学名誉教授
  • 菅野淑子先生
    厚生労働省労働保険審査会常勤委員 
    元北海道教育大学札幌校教授
連携機関

お問い合わせ

福岡大学

研究代表者 所 浩代

〒814-0180 
福岡市城南区七隈八丁目19番1号
文系センター9階 924室
電話  092-871-6631(代)
メール tokoro(at)fukuoka-u.ac.jp
(at)を@に変えてお送りください。

謝辞

本ウェブサイトはJSPS科研費 JP23H00760の助成を受けて作成したものです。